元不動産屋による不動産と不動産テックについてのお話

元不動産が考える不動産についての話を書いている。前職の記事もありますが気にしないスタイル

不動産仲介営業はネット普及前に成功した人が多いのでなかなか営業が切り替えられない【会社編】

前回はこんなこと書きました。

osugi828.hatenablog.com

 

そんな時代背景を経験した上での今回は会社編です

 

この90年代と00年代に活躍していた不動産営業マンをそれぞれが20代だったと仮定すると

 

90年代に20代だった人は50代だし

00年代に20代だった人は40代だし

 

で結局今不動産業界で部長課長クラスって、あのときの顕在層だけを営業していた人がメイン級になっています。

即架電

 

この正しさは今も証明されています。

必要があるから問い合わせているわけで、そのレスポンスが早いことは正義です。

 

ただ、前回の投稿で私はこのように書きました

今インターネットで不動産情報を見られている方はほとんど「今買う・借りるか決めてない方」が大半です。

決めてないどころか予算の準備も無い方も多くおります。

当然決めてないんですからお金貯めてません。

 (中略)

今は登場人物全員潜在層という状態でして、お客様と一緒に伴走していって買うことの意味とか考えさせていかないと駄目な時代が来ているなと感じています。

即架電=拒否というお客様も出てきているんじゃないかなと。

 

場合によっては即架電=死

かもしれません

 

初動のバリエーションが90年代00年代は一つしかなかったのですが、10年代に入った頃から、即架電ではない別の初動対応が求められるようになってきました。

それは、そもそも引っ越しってなんで起こるかということの解なんですが

 

引っ越しって100%発生するんですよ。

家族構成の変化、自身の成長、狭い・広い、理由はなんであれ、検討し始めてからいつかのタイミングで必ず発生します。

 

①結婚した→②2人だから1LDKに引っ越した→③子供できた→④10ヶ月後に子供産まれてきた

 

この状況で④の段階で引っ越し考える人は正直言って「バカ」です。そんな人いません。

ほとんどの人は③ないし、将来を見据えて②の段階で考えています。

 

そして考えて40週なんもしない人もほぼいません。

考えてからお金貯めるとかポータルサイトとか見るはずです。

 

インターネットはこのときにお問い合わせできてしまうシステムを作ってしまったんですね。

事前に調べる、事前に問い合わせできる、これは発明でもあり、一方では不要な心配を生むことにもなったわけです。

 

この②ないしは③ステージの人に今引っ越しましょうって言っても意味がありません。

 

  • 子供ができました。
  • 子育てでいいところはどこか?
  • 予算はどれだけか?
  • 教育計画はどうするか?
  • そもそも男と女で違うぞ?

それ以前に名前も決まってなくて考えなきゃいけないのに他のこと考えてられるかと。

 

そんな気持ちのせめぎあいです。

 

そこに部外者の不動産屋が入ってきて家買いませんか?って言われたら大半の人がブチ切れると思います。

 

じゃあどうすればいいのって話なんですが。

 

売らんかな、買わんかな、以外のセールストークをお持ちの不動産会社さんはどれだけいるのか?

おそらくここからは正解のない時代に突入すると私は睨んでいます。

 

  • というか不動産屋にアプローチする理由が多様化しています。
  • 家を買いたい、借りたい
  • この不動産屋が大丈夫か知りたい
  • 担当者がまともな人か知りたい
  • 図面だけほしい
  • 相場情報だけほしい
  • 相続税知りたいので物件価格知りたい(相続税と物件価格は厳密には関係ないんですが、ユーザーは知らないので本気でその気持ちで来る)
  • 税額教えてほしい(税理士法違反してしまうので税金額算出は不動産屋はしていけません)
  • 間取り見たい(ネットで有名な間取りマニア)
  • など

とにかくこんな感じで量も多く、しかも不動産を手にすることに一直線でもない。

こういう人を相手にしないといけない時代になってきています。

 

「Webがあるからこんなお金にならないお客様ばかりになってしまったんだ!うちは今すぐ欲しいお客様だけ追うからウェブサイトも作らない!!」

 

という不動産会社さんも結構いらっしゃいます。

 

ただ、そういうウェブサイトもない不動産会社は

 

「世界に存在しない会社」

 

となります。いくら駅前店舗にあっても絶対に行きません。

 

仮に新宿駅アルタ前に不動産会社があったとしても、100人中100人は不動産会社に用があったとしても、会社の前でその不動産会社のサイトを確認してはいります。

ウェブサイトがなければ、そこから新宿三丁目方面に歩いて新宿御苑寄りのウェブサイトの会社に必ずいきます。

 

いまや自社サイトはタウンページです。

タウンページにない会社は存在しない会社扱いです。怖いです。

 

今や飲食サイトは皆さん見ていると思います。繁華街の飲食店はほぼ飲食サイト見られて来店されると思います。

 

それが今はGoogleでそのうちinstagramになって、そのうちLINEになって…

というようにプラットフォームを変えながらその存在をアピールしなければなりません。

 

そのアピールは「押し売りしません」などでは一切なく、

 

多様な要望に答えます。

 

だと思うんですよね。

 

これを理想と言う人はいるでしょうが、理想に近づいていくもので、自分本位は駆逐される。そういう時代なんだなと思います。

 

今からでもそんな会社作りしてはどうでしょうか?