元不動産屋による不動産と不動産テックについてのお話

元不動産が考える不動産についての話を書いている。前職の記事もありますが気にしないスタイル

引っ越しシーズン到来前に考える掘り出し物物件

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どうも、相変わらず何やっているか知られていない高杉です。
平素より、不動産屋と申しておりますので、不動産屋と認識して頂けると幸いです。

さて、不動産屋らしく掘り出し物物件について不動産屋としての話をしたいと思います。


【まずいきなり掘り出し物物件が存在するかどうか?】

実は東京都内であればどの地域に引っ越すにしても、必ず掘り出し物物件は存在します。
必ずあります。どんな間取りのものでも、1R~3LDKまで必ずあります。
これは不動産屋を10年やってきての感覚値ですが、必ずあるんです。


ではなぜ出会えないのか?

もう答えは明白ですが、空きがない。
この一点につきます。

そもそも賃貸に出てません。必ず誰かしらが住んでいます。
不動産は同一の物が絶対に存在しない非常に個が強い商品です。
あなたがそれを欲しいと望んでも、同一立地の同一間取りの同一賃料の物件は存在しません。
必ず場所に固着する以上、日本全体で椅子取りゲームみたいなものです。
そこの椅子に誰か座れば、そこには座れません。

ですから、掘り出し物物件はあるんですけど、手に入らないわけです。

この辺をみなさん分からない人が多いのです。
いや、分かっているんですけど、不動産屋が隠し持っているとか、資産家が持っているとかそういうことを思いがちなんです。

でもね…

考えてみて下さい。仮に掘り出し物物件が存在していたとしましょう。
みんなが欲しいですよね。みんなが欲しいものを広告にしたら、どうなるでしょうか?

いっぱいお客様からの問い合わせが来ますね。
会社はウハウハですよね。

じゃあ、suumohomesで見たことありますか?

無いんですよ。

インターネット上の広告に出てないんですよ。

不動産屋からすれば、必ず掘り出し物物件は存在しているわけです。そしてそれがあれば必ず広告に出す方がメリットが大きいのに、出てないわけです。

だから、

隠し持っているとか、会社に取って全くメリットのない行為なんですよ。

まぁほとんどの場合、掘り出し物物件は
1.人が既に住んでいて募集していない
2.嫌悪施設や嫌悪事項がある(これですら空きが出たらすぐ住むマニアがいます)
この二点でしかないので、そもそも商品として存在しません。
物件そのものは存在しますけどね。

結局その観点で不動産市場を見ると、出会えるかどうかは未知数なんで宝くじ程度に思っておくと吉です。

だいたい、引っ越しのタイミングで、掘り出し物物件に出会うには、自分と同じタイミングで、掘り出し物物件に住んでいる方が、引っ越ししなければ出会えません。
見ず知らずの誰か(しかもたった一人)と同じタイミングで引っ越すなんてことは絶望的なパーセンテージと思います。

あと!!!
しつこいようですが、私不動産屋じゃないですか。

別に私も掘り出し物物件に住んでいるわけじゃないですからね!!!!
不動産屋が隠し持っているとか、知ってるとかあれば、とっくのとうに、私が住んでいるわ!!!

ただ単に、私の引っ越す時に、掘り出し物物件が賃貸に出されていなかった。
まぁたったひとつそれだけのことでしかありません。

ちょっとそういうところに思いを巡らせておけば、あんまりカリカリしないで家探しができると思うので、そんなものに骨折ってる暇があれば、住みたい場所の散策&調査でもしといたほうが幸せな新生活ができると思うので、これからの引っ越しシーズンに引っ越す人はがんばってください。