元不動産屋による不動産と不動産テックについてのお話

元不動産が考える不動産についての話を書いている。前職の記事もありますが気にしないスタイル

この記事は不動産屋が信用できないから、自衛のために作られた記事なのか?

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チェックが209個もあります…

 

まぁ不動産検討期間が1年を超えると言われる不動産売買と考えれば365日で209個のチェックですから、別に多くもないかなと思いますが。

 

この記事は、不動産屋からしてもすごくよくできていると思います。

 

ただこれらの項目はすべて

「自分でチェックしましょう」というものばかり。

 

不動産を購入するのに、不動産屋との共同作業は必ず発生しますが、不動産屋についての項目は

1-4.【警】不動産会社の仲介担当に誠実性はあるか
良い中古マンションかどうかを判断するには、仲介担当の力が必要な場面もあります。そのため、会社の規模や知名度よりも、仲介の担当が誠実かどうかが重要です。

「危険な中古マンションはどんなマンションですか?それを判断してくれますか?」などの質問をし、ごまかさず答えてくれるならば、ノウハウと誠実性に一定の信頼をおいてもよいでしょう。詳しくは、「1000件超の物件を調査した40代投資家が行き着いた秘伝の中古マンションの探し方」 の、6章をご確認ください。

 のみです。

 

この記事は、ほぼ自分で考えて自分で判断し、自分で良い契約をしましょうという流れです。

それ自体を一切否定するものではなく、私自身も不動産屋経験者である以上、そのように振る舞うと思います。

 

そしてこういう記事が尋常じゃなくバズっているからこその、タイトルの懸念点が私の頭にもたげてきます。

 

『この記事は不動産屋が信用できないから、自衛のために作られた記事なのか?』

 

まぁ自分の人生で一番高い買い物なので自分で考えろってのは全く間違ってないので、おっしゃるとおり!だと思います。

 

ただ私は、こういう記事からうっすらと透けて見えてくる、お客様と不動産屋との心理的断絶がより一層濃くなってきているという、その事実にどうしても注視しちゃうんですね。

 

この元記事の作者は何度も不動産売買を行い、各不動産屋とも信頼関係が構築できており、自己判断によって不動産投資を何度も行っている方でしょうから、自力で何事もできちゃいます。

そのノウハウを惜しみなく共有する気概は賞賛に値しますし、何より自分でやってみようっていうそのムーブメント醸成は非常にインターネット的だと思います。

※インターネットは多数の中間取引を間引いてきた歴史があるので、不動産屋に頼らない方向性は、時間軸上必ずその道程をたどると自分は思っています。

 

ただまぁ、じゃあ不動産屋ってそのまま手をこまねいて顧客の自力取引にただ手を貸すだけのサポーター職に甘んじていいの?ってのは違うと思います。

 

今後間違いなく不動産屋は不動産取引において必要性が減衰していくかと思います。ただ、必要じゃなくなるとはまた違っていて、必要のされ方が変化していくんだと思います。

 

元記事の作者はその必要のされ方に対する、至極まっとう且つ新しい見方をすでに提供しています。

会社の規模や知名度よりも、仲介の担当が誠実かどうかが重要です 

 

物件提供量が多いとか単なる知識とかじゃない、シンプルに誠実かどうか。

 

これをご覧になられている方の中にも「かかりつけ医」がいらっしゃる方もいると思います。

 

そのかかりつけ医は、別にプロフェッショナル仕事の流儀に出るような超絶技術があるわけでも、情熱大陸に出るようなパッションがあるような方ではないはずです。

ただ信頼できるかどうかで判断されたと思います(もちろん最低限の技術レベルは有していることを前提に)

しかもそのかかりつけ医さんは、主に内科だとしても、小児科、皮膚科、外科、整形外科とプロではないが、そういった自身の専門ではないことについてもあらかたお話ができ、もし専門医に診てもらったほうがいいとしたら、紹介状もサラッと書ける他の医師との関係もある顔の広い先生だったりします。

 

不動産屋がきちんと目指すべき誠実さは、すぐ身近に実はあったりするんじゃないでしょうか?

 

まぁだから商売を実直にやっていこうって話なんですが、お客様の中にはここまで考えて不動産購入を考えている方が一定数増えていくなかで、いつまでも情報の非対称性を武器に戦ってても、『B29相手に竹槍で戦う』ぐらい滑稽なので、恥ずかしいのでやめてほしいなと思うんですよね。

 

終わり