なぜ掘り出し物物件が出てこないのかの解説
不動産売買の話です。
賃貸ではありません。
不動産屋をやっていると
「掘り出し物物件ありませんか?」
と聞かれることがあります。
もう上の画像で結論は出ているのですが、なかなか難しいのが実情です。
無いわけじゃないですけど、お伝えする前に不動産屋が買ってしまって、再販売して利益を乗せて売っています。
不動産売買は実は結構な頻度でスピード勝負です。
- 家を内見する
- 申込みをする
- 住宅ローン審査を出す
- 不動産売買契約をする
- 融資の契約をする
- 引き渡しをする
これが不動産屋が買うと
- 家を内見しない
- 申込みをする
- 住宅ローン審査をしない
- 不動産売買契約をする
- 融資の契約をしない
- 引き渡しをする
ですから、早い早い
上の住宅ローン組むのはストレートにいって2ヶ月。通常で3ヶ月
下の不動産屋が買うと最短で3日。1週間だったりします。
不動産屋間で情報が回っていますから、SUUMOなどに掲載する必要もありません。
また、不動産仲介と不動産売買再販で売上構造と利益構造が違います。
不動産屋が一般消費者に不動産の仲介をすると
3500万円×3%+6万円=111万円(売上)
広告宣伝費、契約コスト等差し引くと粗利で70万円ぐらい
不動産屋が一度買って買ったものを一般消費者に販売すると
3500万円で仕入れて(原価)
4000万円で売って(売上)
粗利は500万円
※売主が直接不動産屋の場合仲介手数料は掛かりません・
一気に売上が立つんですね。
企業として同じ不動産取引であれば、これをしない理由がありません。
4000万円の相場のエリアで偽証して4500万円で売ってたら良くないことですが、そういう形じゃないので。
中間省略登記やリフォームなども何にもせず、右から左に流すだけで500万円の粗利を取るような取引をした場合は良くないですね。
上の画像では、3500万円の不動産をリフォームして商品化しています。
せめてこういうのをしていれば、3500万円+リフォーム代での購入よりは結果的に安いかもしれません。
ただ、不動産屋も一人の人間です。一から十までこんなことしているわけじゃないです。
つながりの深い方にはこういう情報を渡して購入を促すこともしています。
なので、不動産選びは不動産ばかり見ている暇があれば、不動産屋と仲良くなることを第一に考えていたほうがいいかなと。
良い条件の不動産は必ずあります。
その情報を手にした不動産屋に懇意にしている人がいれば、必ず情報をくれます。
それをきちんと信頼して待つことも大事だよなぁと不動産を仲介する会社にいて感じます。
もっとも、不動産を紹介しようと考えている不動産屋と不動産を買って売り出そうとしている不動産屋が混在していますので、スピード感持って判断しないと結局別の会社に買われてしまいますので、難しいところです。